一目均衡表の見方と設定、使い方解説。雲からFX相場を見極める
日本発のテクニカル分析として有名な一目均衡表ですが、普段、移動平均線等を使っているチャートがごちゃごちゃして見づらく感じてしまうかもしれません。
しかし、一目均衡表は相場の値動きだけでなく「時間」にも注目した画期的なチャート分析法です。
移動平均線と似ている部分も多く、仕組みと見方さえ分かってしまえば簡単に売買ポイントを見極める事ができるようになるのです。
ココでは慣れないと少し見方が難しいけれで、使えれば一目でチャンスを見つけられる一目均衡表の設定や使い方、肝である「雲」について解説します。
また↓はウィキペディアでの一目均衡表解説です。
一目均衡表:Wikipedia
一目均衡表(いちもくきんこうひょう、英:Ichimoku Kinkō Hyō)は、チャート分析法の一つ。細田悟一によって、1936年(昭和11年)に考案された。
目次
一目均衡表とは
ちょっと用語からはどんなものか想像しにくい「一目均衡表」。構成要素が多いため難しく感じるかもしれませんがポイントさえ押さえておけば非常に便利な分析法なのです。
一目均衡表は注目されがちな値動きだけでなく時間を特に重視したチャート分析法で、最大の特徴はまだローソク足がまだない未来にも補助線が表示されることです。
未来の値動きに対する情報が前もって表示されているので、一目見ただけで今後の値動きをイメージしやすくなります。
なぜ未来の情報が表示されているのか?
一目均衡表では、なぜ未来の時間に情報が表示されてのでしょう。
FXでは過去の値動きが未来の値動きに大きな影響を与えています。
一目均衡表では値動きを分析したグラフを過去や未来にずらして表示することで、過去の値動きに対する現在の値動きの情報や、未来の値動きに対する過去の値動きの情報を予め表示しておくことができるようになります。
グラフを前後の時間にずらすことによって過去の値動きと現在の為替レートの関係や、未来の値動きに影響を与える情報を把握しやすくなっているので、値動きの予想に必要な情報を一目で把握できるようになっているのです。
一目均衡表の仕組みと見方
一目均衡表は5本のグラフで構成されています。
チャートは外為オンラインのものを使用しています。
グラフはそれぞれ基準線・転換線・先行スパン1・先行スパン2・遅行スパンと呼ばれています。
先行スパン1と2で囲まれた部分は雲と呼ばれ、未来の時間表示されている雲はサポートやレジスタンスとして働きます。
転換線
転換線は、過去9本分のローソク足の高値と安値の中間点を結んだグラフです。
移動平均線と少し似ていますが、イメージとしては移動平均線をものすごくざっくりと計算して表示したものといった感じになるでしょう。
転換線では期間中全体の平均ではなく、高値と安値しか計算に使われていません。
そのため、高値も安値も更新されない期間のグラフは横ばいになることが多くなります。
高値が更新されていれば右上がりのグラフになるので、相場の上昇傾向を表します。
一方、安値が更新されれば右下がりのグラフになるので相場の下降傾向を表すことになります。
移動平均線と同じようにグラフの傾きのほかに、ローソク足との位置関係やクロスしたポイントに注目して分析を行います。
基準線
基準線は過去26本分のローソク足の高値と安値の中間点を結んだグラフです。
転換線の期間を長くしたグラフになるので、複数の移動平均線をみるときのように短期が転換線、中期が基準線と考えるといいでしょう。
基準線と転換線も一定期間の平均をグラフにしたものなので、短期と中期の移動平均線を表示させている状態と似た関係になります。
基本的な見方も短期と中期の移動平均線と良く似ていて、転換線と基準線の位置関係やクロスするポイントに注目して今後の値動きを予想することになります。
転換線や基準線と移動平均線の違い
転換線と基準線は移動平均線とは違い、終値ではなく高値と安値の中間に注目したグラフです。
一時的に大きな為替変動があった場合、値動きが落ち着いてくると高値や安値から半分ほど戻すことが非常に多くあります。
そのため高値と安値の中間はたくさんの人が意識しているポイントになっています。
転換線と基準線は値動きの中間点を把握しやすいように、高値と安値の中間点がグラフの計算に使われているのです。
先行スパン1
先行スパン1は転換線と基準線の中間点を計算し、ローソク足26本分先に移動させてグラフにしたものです。
ローソク足9本分の高値と、安値の中間点とローソク足26本分の高値と安値の点間点のさらに中間をグラフにしているので、短期と中期の中間のグラフをローソク足26本分未来に移動させたイメージになります。
先行スパン2
先行スパン2は、過去52本分のローソク足の高値と安値の中間点をローソク足26本分先に移動させてグラフにしたものです。
先行スパン1が短期・中期のグラフすると、先行スパン2は長期のグラフを未来に移動して表示させているイメージになります。
雲
先行スパン1と先行スパン2に囲まれた範囲は「雲」と呼ばれています。
先行スパンはそれぞれ別々に使うことは少なく、二つのグラフで囲まれた範囲を利用して値動きの予想を行います。
先行スパンは過去や高値と安値の中間を未来に移動させたものです。
つまり短・中期と長期の先行スパンに囲まれた雲付近のレートで、過去に取引を行った人がいたことを表しているので、雲にローソク足が近づいたときや雲の中から抜けたときなどが、今後の値動きを予想する重要なポイントになっています。
遅行スパン
遅行スパンは、終値のグラフをローソク足26本分過去に移動して表示させたものです。
現在のレートを過去にずらすことで、過去の値動き現在の値動きの関係を把握しやすくなります。
特に遅行スパンとチャートがクロスした場合、絶好の売買ポイントになります。
過去のレートを現在のレートが超えたり下回っただけなのですが、クロスしたポイントは
相場の転換点になりやすいので売買のチャンスとなります。
一目均衡表の設定と使い方
一目均衡表の仕組みが分かったら、実際の使い方をみてみましょう。
一目均衡表では大きく分けて、
・転換点と基準線
・雲(先行スパン1と先行スパン2)
・遅行スパン
の3つを使って値動きを予想します。
一目均衡表はトレンド相場のは強いのですが、レンジ相場では少し使いづらくなっています。
転換線と基準線
転換線と基準線のイメージは、かなりざっくりと計算した短期と中期の移動平均線のようなものです。
そのまま移動平均線と同じように、ローソク足と転換線(短期)の位置関係や転換線(短期)と基準線(中期)の位置関係から今後の値動きを考えて見ましょう。
傾きでトレンドの方向を判別
転換線や基準線では、高値や安値を更新した場合、グラフに傾きが出ることになります。
高値や安値を更新したということは、その方向に相場の勢いが出ていることになります。
傾きの方向や傾き加減からトレンドの方向や強さを判断しましょう。
位置関係からトレンドを判断する
短期と中期の移動平均線のように、転換線と基準線の位置関係からも相場のトレンドを判断することができます。
転換線が(短期)基準線(中期)の上にある場合は上昇トレンド、転換線が(短期)基準線(中期)の下にある場合は下降トレンドとなります。
トレンドの転換点を見つける
短期と中期の移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスのように、転換線と基準線のクロスしたポイントがトレンドの転換点となる場合があります。
転換線が基準線を下から上に抜けたら上昇トレンドへの、転換線が基準線を上から下へ抜けたら下降トレンドへの転換点になる可能性があるということです。
基本は移動平均のイメージ
転換線や基準線だけでもグラフの傾きや上下の位置関係、クロスするポイントから値動を予想することができます。
売買のポイントは移動平均線の場合と大きく変わらないので、相場のトレンドやトレンドの転換点を意識して利益を狙いましょう。
雲(先行スパン1、先行スパン2)
雲は先行スパン1と先行スパン2に囲まれた範囲のことです。
先行スパンではこの囲まれた部分に注目しましょう。
サポート、レジスタンスとしての働き
雲は支持線や抵抗線のように働いています。
雲はチャートの未来の範囲にも表示されているので、反発のタイミングを非常にイメージしやすくなります。
ローソク足と雲が近づいてきたら、「そろそろ反発しそうだな」など一目で値動きの予想を行うことができます。
支持線や抵抗線と大きく違うのは、一本の線ではなく囲まれた部分の範囲で考えることができるという所です。
雲で囲まれた範囲は過去にそのレートで取引を行った人がたくさん居たことを表しています。
雲の範囲・厚みや薄さには過去の取引の情報が詰まっているのです。
トレンドの転換点を判断する
雲はトレンドの転換点になる場合もあります。
雲がサポートやレジスタンスのとして働いていたとき雲に入り、雲を抜けた場合トレンドの転換点となります。
トレンドを形成している場合、雲に近づいて反発、反発が弱くなり雲に入ってレンジでもみ合った後に雲を抜けてトレンドの転換点に、等の流れでトレンドが転換することになります。
サポートやレジスタンスとして働いている雲を見つけたら売買のチャンスです。
トレンド乗って取引をし、トレンドの転換点を察知することで利益を狙うことができるようになります。
遅行スパン
遅行スパンは現在のレートを過去に移動しただけのシンプルなものです。
しかしシンプルであるが故に強力な売買のサインとなる場合があります。
遅行スパンの見方
遅行スパンは現在のレートと26本前のローソク足を比べるだけのシンプルなものです。
遅行スパンがローソク足より上にある場合、26本前のローソク足が
現在のレートより低いということになり、買いが優勢と言うことになります。
逆に遅行スパンがローソク足より下にある場合、26本前のローソク足が現在のレートより高いということになり、売りが優勢と言うことになります。
過去の部分に表示されているので最初は戸惑ってしまうかも知れませんが、1本前と26本前のローソク足を比べているだけのものです。
今と少し前のレートを比較して相場の流れを把握する、と考えると分かりやすいと思います。
相場の流れが変わるポイント
遅行スパンでは買いが優勢・売りが優勢など相場の流れを判断することができますが、相場の流れが変わるポイントは一体いつでしょうか?
遅行スパンがローソク足が上にある場合は買い優勢、下にある場合は売り優勢なるので、
遅行スパンとローソク足の上下が入れ替わったところで相場の流れが変わったと言えるでしょう。
遅行スパンとローソク足がクロスしている所に注目するだけで、相場の流れが変わるポイントを察知することができます。
この流れの転換点では値動きの予想が当たることが非常に多くなっています。
チャート上の過去の部分に表示されるので、最初は見落としがちですが慣れれば強力な売買のポイントとなります。
遅行スパンにも注目して利益を狙うチャンスを掴みましょう。
一目均衡線まとめ
・一目均衡表は時間にも注目した分析法
・移動平均線に似ている転換線と基準線
・転換線と基準線の位置や傾きでトレンドを判別
・過去の値動きを未来に表示する先行スパン
・先行スパンは雲に注目
・雲はサポートとレジスタンスの役割をする場合も
・雲を抜けたらトレンドの転換点に
・遅行スパンは少し前のレートと今のレートを比較するだけ
・遅行スパンとローソク足のクロスは相場の流れが変わるポイントに
以上、一目近郊表についてご紹介しました。
一目均衡表は移動平均線に似ている部分も多いので、仕組みと簡単な見方さえ分かればすぐに使えるようになる人が多いはずです。
使える分析法が増えればそれだけ売買のチャンスも増えることになりますし、一目均衡表を使ってチャンスを増やし、しっかり利益を狙いましょう。