MACDとは?FXでの使い方や設定、組み合わせ手法や見方など解説
MACD(マックディー)は移動平均線を利用した有名なテクニカル分析手法の一つです。
MACDは相場の値動きに敏感に反応するので、移動平均線よりも素早くトレンドの転換を察知することが可能になります。
集団心理により値動きを予想するFXでは、有名なテクニカル分析は多くの人に使われていると言うだけで有用なものとなります。
今自身で使っているテクニカル分析があるかもしれませんが、多くの人が値動きの予想に利用している有名なテクニカル分析は覚えておいて損はありません。
ココでは移動平均線より値動きに敏感なMACDの見方や使い方、組み合わせ手法や設定時の注意点などをご紹介します。
また↓はウィキペディアでのMACD解説です。
MACD:Wikipedia
英語では、 Moving Average Convergence Divergence で、頭文字の、MACD(エムエーシーディー・マックディー)で呼ばれるのが一般的である。日本語では、移動平均収束拡散法という。
MACDとは
MACDは移動平均線を基にしたテクニカル指標で、MACDとシグナルと呼ばれる2本のグラフとヒストグラムと呼ばれる棒グラフで構成されています。
まずはそれぞれをみていきましょう。
移動平均線
移動平均線はロウソク足チャートを一定期間の終値の平均したもので、ロウソク足チャートを滑らかにしたグラフを描きます。
グラフには期間中の終値をそのまま平均したものを単純移動平均線(SMA)、
現在に近い終値を重視して計算を行う指数平滑移動平均線(EMA)や加重移動平均線(WMA)などの名称が付いています。


MACD
MACDの計算では通常の単純移動平均線ではなく、
直近の値動き重視した指数平滑移動平均線(EMA)が使われています。
単純移動平均線(SMA)では直近の終値と過去の終値がすべて同じ扱いで計算されているので、前回の終値と期間ギリギリの終値の両方が同じだけの影響力を持っていることになります。
EMAでは未来の値動きを予想する上で重要なのは直近の値動き、という考え方を元に、直近の値動きを重視して計算されているので相場の値動きに敏感に反応するようになっています。
MACDは短期と長期、2本のEMAの差を表しており、以下のように計算されます。
MACD=短期EMA-長期EMA
これによって短期と長期の移動平均線の位置関係を一目で確認できるようになっています。
シグナル
シグナルはMACDの移動平均線でMACDを移動平均化することで
値動きに対する反応が滑らかになり、ロウソク足チャートに対する移動平均線のような役割を持つようになっています。
MACDでは基本的にMACDとシグナルがクロスするタイミングが売買を行うポイントとなります。
ヒストグラム
ヒストグラムはMACDとシグナルの差を表し、MACD-シグナルで計算されます。
ヒストグラムがゼロになった部分では、MACDとシグナルがクロスしているのでヒストグラムがゼロになったところも売買のポイントとなります。
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MACDの使い方
グラフの意味を覚えたら次は使い方をみていきましょう。
MACDはチェックするポイントは分かりやすいので、すぐに使えるようになるはずです。
MACDのトレンドの判断
MACDでは一目でトレンドの状態を判断することが可能になっています。
MACDがプラスの状態では上昇トレンドが
MACDがマイナスの状態では下降トレンドが発生している状態になります。
まずは現在のトレンドを確認するためにMACDの位置を確認しましょう。
MACDの角度でトレンドの勢いを判断
MACDのを使えばトレンドの勢いを判断することもできます。
現在のトレンドの向きを把握した後はグラフの角度からトレンドの勢いを考えてみましょう。
MACDの角度は短期と長期の移動平均線の差の広がり方を表しているので、傾きが大きくなるほどトレンドに勢いがあることを表しています。
逆にMACDがプラスのときにグラフが上昇から下降に変わった場合や、MACDがマイナスのときにグラフが下降から上昇に変わった場合、トレンドの勢いが弱まってきたと判断できます。
トレンドの向きを判断したらトレンドの勢いにも注目してみましょう。
ゴールデンクロスとデットクロス
移動平均線がクロスするタイミングはゴールデンクロスとデットクロスとして有名な売買のポイントですが、MACDとシグナルがクロスするタイミングも売買のポイントとしてよく使われています。
MACDがシグナルを下から上に抜けると買いのサインとなり、MACDがシグナルを上から下に抜けると売りのサインとなります。
敏感に値動きに反応すMACDでは、トレンドが発生する可能性があるタイミングをいち早く察知できるこの売買サインが一番の注目ポイントになります。
MACDとゼロラインのクロス
MACDとゼロラインがクロスしたところも売買のポイントとなります。
MACDとゼロラインのクロスが起こった場合、その前に起こったMACDとシグナルがクロスの
信頼性を上げると考えられています。
MACDとシグナルのクロスでポジションを持った場合、ポジションを持ったまま更なる利益を狙ったりポジションの追加を考えるポイントになります。
MACDの期間設定
テクニカル分析では、多くの人が利用していると言うことが分析の精度を上げる重要な要素となります。
特に理由がなければMACDの設定は、短期のEMA:12、長期のEMA:26、シグナル:9の標準的な初期設定のままで利用しましょう。
売買サインの頻度が少なかったりダマシが多すぎたりすると、設定を変えたくなる場合もあるかも知れませんがまずは標準的な設定で取引を行いましょう。
設定を変える場合は長期のEMAを、短期のEMAの約2倍に設定するのが一般的です。
期間を短くすればその分ダマシが多くなり、期間を長くすればその分売買のサインが出る頻度が少なくなることになります。
MACDの特徴
移動平均線と使い方が似ているMACDですが、移動平均線とどこが違うのでしょうか。
移動平均線とMACDの違いを確認してみましょう。
移動平均線よりもクロスするポイントが早い
MACDの最大の特徴は移動平均線を使ったテクニカル分析よりも、売買のためのサインが出るポイントが早いということです。
実際に12と26のEMAを表示させたローソク足チャートとMACDを表示させたサブチャートを比較してみましょう。
MACDとシグナルのクロスするポイント・移動平均線がクロスするポイントが早くなっています。
この違いによって移動平均線を使ったテクニカル分析よりも、早い段階で売買のサインを判断することができるようになります。
移動平均線の位置関係を表している
短期と長期の移動平均線の差をグラフにしたMACDでは、短期と長期の移動平均線の位置関係をプラスマイナスで表すことになります。
短期の移動平均線が長期の移動平均線の上にある場合はプラスの数値になり、上昇トレンドを表します。
一方、短期の移動平均線が長期の移動平均線の下にある場合はマイナスの数値になり、下降トレンドを表すことになります。
MACDのプラスとマイナスでトレンドが判断できるのは、短期と長期の移動平均線の位置関係を表していたからなのです。
移動平均線がクロスするポイントもわかる
MACDでは移動平均線がクロスするポイントもそのまま判断することができます。
MACDは長期と短期の移動平均線の差を表しています。
MACDがゼロとなるポイントは移動平均線の同士の差がゼロ、つまりクロスしているタイミングと一致することになります。
先ほどのグラフをもう一度見てみましょう。
ロウソク足チャートで移動平均線がクロスしているタイミングで、MACDがゼロになっていることが確認できます。
MACDがゼロになったポイントが売買のサインとなるのは、そのタイミングが移動平均線がクロスするタイミングと同じだからなのです。
ダイバージェンス
MACDではオシレーター系の指標特有のダイバージェンスと呼ばれる状態になることがあります。
ダイバージェンスは強いトレンドが発生した後に起こることがあり、ロウソク足チャートでは価格が上がっているのにMACDが下降している場合や、逆に価格が下がっているのにMACDが上昇している状態を指しています。
一見すると違和感のある状態ですが、ダイバージェンスは相場の転換点を表すこともあるので、ダイバージェンスを確認した場合はその後の相場の転換に注意しておきましょう。
MACDの注意点
騙しに注意
MACDを使って取引する場合、売買サインのダマシに注意しましょう。
MACDは移動平均線よりも敏感に相場の値動きに反応するため、その分ダマシの売買サインも増えてしまいます。
売買サインが出たときはMACDとシグナルがクロスする角度にも注目してみましょう。
クロスする角度が深い場合はトレンドが発生する可能性が高くなり、クロスする角度が浅い場合は、ダマシのサインになる可能性が高くなります。
MACDでダマシの売買サインが多い場合は取引前にクロスの角度を必ず確認しましょう。
レンジ相場では使いづらい
MACDはレンジ相場になると頻繁にクロスが発生して使いづらくなってしまうので、売買のサインを判断できないときは、別のテクニカル指標も使ってみましょう。
MACDの見方や使い方、設定方法まとめ
・MACDは短期と長期の移動平均線の差を表す
・移動平均線は一定期間終値の平均
・シグナルはMACDの移動平均
・ヒストグラムはMACDとシグナルの差を表す
・MACDがプラスのときは上昇トレンド
・MACDがマイナスのときは下降トレンド
・MACDの角度はトレンドの勢いを表す
・MACDとシグナルのクロスは売買のサイン
・MACDとゼロラインのクロスも売買のポイント
・特に理由がなければ設定は基本設定のままで
・MACDの売買サインは移動平均線よりも早い
・MACDは短期と長期の移動平均線の位置関係を表す
・MACDがゼロなのは移動平均線がクロスするタイミング
・チャートとMACDの傾きが逆になったら相場の転換に注意
・相場の値動きに敏感すぎて騙しが多くなることも
以上、MACDについてご紹介しました。
MACDを使うと、移動平均線を使った分析よりも早い段階で売買のサインを察知することができるようになります。
早い段階でトレンドを察知することができれば、その分大きな値動きを狙えるようになるので、いち早くトレンドに乗って大きな利益を狙えるようになります。
反面、値動きに敏感でダマシの売買サインが増えてしまう可能性もあるので、他のテクニカル指標との併用やグラフの傾きやクロスする角度に着目して売買のタイミングを絞るなど、MACDをうまく利用して予想の精度を上げられるようにしましょう。