FXのアノマリーとは?季節や曜日、月ごとの不思議な値動き法則
日常生活を送っていると「理由はうまく説明できないけど、なぜだか毎回そうなってしまう」といった法則のようなものに気付いたことはありませんか?
こういった論理的には説明できない法則や偏った結果はアノマリーと呼ばれています。
相場の世界にも論理的には説明できない偏り、様々なアノマリーが存在しています。
ここではなぜかその通りの値動きが良く起こってしまう、FXのアノマリーについてご紹介します。
また↓はウィキペディアでのアノマリー解説です。
アノマリー:Wikipedia
アノマリー(英: anomaly)とは、ある法則・理論からみて異常であったり、説明できない事象や個体等を指す。科学的常識、原則からは説明できない逸脱、偏差を起こした現象を含む。
アノマリーが相場で使える理由とは
アノマリーは”異常”という意味を持つ言葉で、法則や理論に照らし合わせてみると異常であったり、説明できない偏りが起こっている状態を表しています。
論理的な説明が難しいアノマリーは、根拠が無いといって、見向きもしない人が多いかもしれません。
しかし、相場は参加者の心理がそのまま値動きに反映されるので、根拠があろうがなかろうが、皆が同じ事を考たときにはその通りの値動きが起こってしまいます。
なにより相場の世界のアノマリーには、長年の経験によって培われた確かにそうなるらしい格言や、後になって根拠がみつかった法則など、完全に根拠がないと言い切れないものが多く存在しています。
有名なアノマリーはそれだけでも相場に影響を与えてしまうので、覚えておいて損はありません。
基本的なアノマリーは必ず覚えて、取引に役立てましょう。
季節ごとの値動きの傾向
FXでは季節による値動きの傾向もアノマリーとなっています。
季節ごとに値動きの傾向は、古くからの格言になっているものや投資以外の目的で行われる輸出入のために必要になる通貨交換等の、実需用の為替売買に基づいたものが多くなっています。
実需による為替取引は、投資目的による取引に比べると取引量が少なくなってしまいますが、アノマリーとして広まれば投資目的の為替取引にも広く使われることになります。
まずは季節ごとの値動きの傾向をおさえておきましょう。
一月のアノマリー
一月の値動きは「一月効果」と呼ばれ、一月の値動の傾向がその年全体の値動きの方向性を表しているといわれています。
一月の月足が陽線なら上昇トレンドに陰線なら下降トレンドになりやすく、一年のトレンドを占う重要な月として意識されています。
二月のアノマリー
二月は江戸時代から「節分天井、彼岸底」などと言われており、年明けから上昇してきた相場が二月の頭に天井となり、三月の初めまで下げやすくなると言われています。
また、ドル円では米国債の利払いがあり、利息をドルから円に交換する動きによって円高になりやすい月とも言われています。
三月のアノマリー
三月になると多くの日本企業が決算期に突入します。
外貨を保有する企業が決算に向けて一斉に両替を行うため円高となりやすい季節で、特に取引量が多いドル円では売りの圧力がかかる月となります。
四月のアノマリー
四月は三月に決算を終えた多くの日本企業が新年度へと切り替わる月になります。
三月に決算用に外貨を円に交換してしまうと、取引用に新たに外貨を仕入れる必要があるなど決算が終了した影響で円安になりやすいといわれています。
四月の末には、ゴールデンウィークに海外旅行を予定している日本人が増えるので、旅行のための両替が集中することになります。
そのため、ゴールデンウィーク前は円安になると予想されることが多くなります。
五月のアノマリー
五月は株式相場で「sell in may」と言われており、夏休みに備えてポジションの整理が行われる、株が売られやすい時期となっています。
ドル円も株安の影響で円高方向への圧力がかかりやすくなり、円高になりやすい季節と言われています。
また、二月と同じく5月も米国債の利払いが行われる月となっているので、ドルで受け取った利息を円に換える動きも重なってドル円では円高になりやすい時期といえるでしょう。
六月のアノマリー
六月に入ると夏休みを迎えるファンドが多くなり、市場参加者が大幅に減ってしまう時期と言われています。
日本企業の四半期決算による円高への圧力も起こりますが、三月ほどの大きな動きとはなりません。
とはいえ売買の材料とされることもあるので、一応覚えておきましょう。
七月のアノマリー
アメリカでは七月に入ると「サマーラリー」と呼ばれる時期となります。
夏のボーナスを手に入れたアメリカ人は、バカンスの前に株を買いだめするといわれており、七月から九月までは株価が上昇しやすい時期と言われています。
アメリカの株価が上がりやすいことからドル円では円安になりやすい時期と言われています。
八月のアノマリー
日本では八月は「夏枯れ相場」などと呼ばれており、アメリカのサマーラリーとは対照的にお盆が近づく、株価も取引高も伸びにくい時期となってしまいます。
実需に基づいた為替取引では、為替の変動リスクを避けるためにお盆前に外貨を円に交換する動きが起こるといわれています。
八月には米国債の利払いも重なるので、ドル円では円高方向に圧力がかかることになります。
全体的には円高に動きやすいといえますが、七月に続いて八月も変動幅が小さい月となっているので夏場は大きな値動きを狙うのが難しい期間となっています。
九月のアノマリー
五月で紹介したアノマリー「sell in may」には続きがあり、九月まで戻ってくるなと言う意味の文章が続いています。
九月になるとファンド夏休みの終わりで市場参加者が増えることから、大きな値動きが起こりやすくなります。
当然、為替市場の参加者も増えるので、九月は活発な取引が再開される時期になります。
日本では中間決算の時期となり、ドル円に円高方向の圧力が発生しますが、それでも三月ほどの影響力はありません。
取引が活発になり大きな値動きが起こりやすい時期なので、トレンドに乗れば大きな値幅を狙えるチャンスの季節といえるでしょう。
十月のアノマリー
アメリカでは十月は株価が安値をつけやすいことから「十月効果」と呼ばれています。
有名な歴史的大暴落は十月に起こることが多く、特にリスク管理を注意する必要がある季節となります。
アメリカでは株安になりやすいことから、ドル円では円高になりやすい月と言われています。
十一月のアノマリー
アメリカでは休暇の前の調整が入りやすい時期となっており、新しい方向の値動きが起こりやすい時期と言われています。
長期のポジションがある場合は、新しい値動きの流れに備えて準備しておいた方がいいかもしれません。
また、ドル円では十一月も米国債の利払いによる円高への圧力が起こる時期でもあるので、一応頭に入れておきましょう。
十二月のアノマリー
十二月は欧米企業の決算期となっているので、円安に振れやすい季節となっています。
また、欧米ではクリスマスが近づくと相場が閑散としてしまい、市場参加者が大きく減ってしまいます。
年明けまでは取引量が少なく、大きな値動きが起こりにくい時期となっています。
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他にもたくさん有名なアノマリーとは
ゴトー日のアノマリー
日本では5と10のつく日がゴトー日と呼ばれています。
日本の輸入企業がドル建てで決済を行う場合、このゴトー日に円をドルに両替することが多くなっています。
そのためゴトー日には銀行で多くの両替が行われ、金融機関では外貨を確保するための為替取引が行われることになるのです。
特に金融機関で両替する際のその日一日のレートである中値が決まる、日本時間の9時55分前後は為替取引が活発になります。
ゴトー日は仲値が決まる時間に向かって円安に動きやすく、十時過ぎから円高に向かいやすいといわれているので覚えておきましょう。
ゴトー日が休日の場合は、金融機関の最終営業日が前倒しでゴトー日となるようです。
企業にしてみれば必要になる通貨な訳ですから、前倒しで用意する必要があるということなのでしょう。
毎週水曜のアノマリー
FXでは、通貨の金利差であるスワップポイントを狙って取引しているトレーダーも少なくありません。
スワップポイントは毎日付与されていますが、日本時間の木曜日の早朝6-7時の時間帯に三日分のスワップポイントがまとめて付与される仕組みになっています。
三日分のスワップポイントを狙う場合、水曜の深夜に金利の低い円を売って金利の高い通貨が買われることになるので水曜の深夜から明け方に掛けて円安になりやすくなる、と言われています。
水星逆行
水星逆行とは地球から見た水星の位置が通常と逆方向に動いて見える現象です。
占いなどでは、年に三回起こる水星逆行の時期はよくないことが起こりやすいネガティブな期間とされています。
一方、相場の世界ではレンジ相場になりやすく、大きなトレンドが起こりにくい時期であるといわれています。
少しオカルトじみた話になりますが、占星術をトレードに利用しているトレーダーも少なくないと言われているので、覚えておいてもいいのも知れません。
新月と満月のアノマリー
天体に関係するアノマリーは水星逆行のほかにも、新月と満月の日が相場の転換点になりやすいといったものがあります。
天体は古くから占いなどに使われ、現在でも占星術をトレードに活用している投資家が数多く存在しているそうです。
水星逆行に続いて新月と満月もアノマリーとなっていることから、天体はわれわれの行動に少なからず影響を与えているのかもしれません。
ジブリに関するアノマリー
日本では、ジブリ作品が放送されると相場が荒れて株価が急落するといったアノマリーがささやかれています。
日本の個人投資家の間で非常に有名なこのアノマリーですが、ジブリが放送されるのは週末の金曜日が多く、月初めの金曜日は雇用統計と重なることから、初めは冗談半分に扱われていました。
しかし、この現象がウォールストリートジャーナルに取り上げられてしまい、一気に有名になりました。
実際に直接的な関係は疑わしいですが、有名と言うだけで値動きに影響を与えてしまう可能性もあるので、覚えておいても良いかもしれません。
アノマリーまとめ
経験則や実需要などに基づいたものから、占星術や都市伝説的な根拠を説明できないものまで有名なアノマリーについてご紹介しました。
相場の値動きは投資家の集団心理に大きく左右されます。
根拠が乏しいといっても、有名と言うだけ、値動きに影響を与えてしまう可能性もあります。
季節ごとの特徴や天体に関するニュース・映画の再放送などを目にしたときはアノマリーについて思い出してみるといいかもしれません。