経済情報・ニュースを解析する手法「ファンダメンタルズ分析」とは
FXで値動き予測する方法は、大きく分けるとテクニカル分析とファンダメンタルズ分析に分かれます。
デイトレードやスキャルピングなど短期の取引ではテクニカル分析を重視する傾向がありますが、中長期の取引ではファンダメンタルズによる値動きの予想も必要となってきます。
ここでは中長期の値動きを予想するために重要なファンダメンタルズの解説や、分析を行うときの注意点などわかりやすくご紹介します。
また↓はウィキペディアでのファンダメンタル分析解説です。
ファンダメンタル分析:Wikipedia
企業のファンダメンタル分析とは、財務諸表、健全性、経営、競争優位性、競合相手、市場などを分析することである。
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目次
FXファンダメンタルズ分析とは
ファンダメンタルズは国や企業の経済状態を表す指標のことです。
日本語では「経済の基礎的条件」と訳され、為替相場では主に経済成長率や雇用統計・消費者物価指数や貿易収支など各国の状態をから値動きを予想することになります。
たとえば「国の経済成長率が高ければ景気がよくなる」や、「物価が上昇してインフレ状態となれば経済が不安定になってしまう」といった事項はなんとなく想像できるのではないでしょうか。
ファンダメンタルズ分析はこういった経済に影響を与える要因を数値化したものから、相場の値動きを予測する方法になります。
値動きの予想にファンダメンタルズを使うのは
現在、値動きの予想で主流なのはテクニカル分析ですが、あえてファンダメンタルズ分析を使う理由はあるのでしょうか?
テクニカル分析は経済に関する知識が必要なく、短期的な相場を分析するのに適しています。
一方でファンダメンタルズは中長期の値動きを予測するのに非常に有効な分析法となっています。
ファンダメンタルズの良し悪しは長い目で見れば必ず為替相場に影響を与え、ファンダメンタルズにそぐわない値動きはいずれ修正されていくことになります。
中長期の資産運用を考えていたり、リスクを減らすための海外への分散投資を考えている場合、ファンダメンタルズ分析は必要不可欠となります。
テクニカル分析だけでなく、ファンダメンタルズにも着目して安定的な資産運用を行っていきましょう。
FXファンダメンタルズの種類と分析の仕方
ファンダメンタルズが指すものは広くなっていますが、ファンダメンタルズ分析に使われるものはそれほど多くはありません。
まずはFXの値動きに関係が深いものを覚えましょう。
金利の動向
政策金利の変更などの金利の動向は、通貨の取引レートに大きな影響を与える要因となっています。
基本的に利上げされる期待が高まっていたり、利上げが起こった通貨は買われやすく、低金利だったり今後の利下げが予想される通貨は売られやすくなっています。
投資家が資金を運用する場合を考えると、金利の低い通貨よりも金利の高い通貨のほうが金利の分だけ高い収益を狙えることになります。
自国通貨が低金利の場合、高金利の通貨で資産運用しようとすれば、自国の通貨を高金利の通貨に交換する必要が出てくるので、高金利の通貨が買われる取引が起こりやすくなり、為替レートに影響を与えることになります。
こうした通貨間の金利差はFXにもスワップポイントとして反映されています。
FXで長期の取引を行う場合、スワップポイントを気にしない人は居ないでしょう。
ただし、あまりに高金利の通貨は国の情勢不安を反映している場合があります。
金利が為替レートに影響を与えやすいとはいえ、金利だけを売買の判断材料にしてしまえば別の要因による為替変動に巻き込まれるリスクを抱えることになります。
売買の判断はその他の条件を含めて総合的に判断し、金利を重視しすぎて判断しないように注意しましょう。
インフレ
インフレは物の価値が上がってしまうことですが、物の価値が上がれば同じお金で買えるものが少なくなったと考えると、通貨の価値が下がった言い換えることができます。
たとえば今まで500円で買えていたものが1000円になってしまったとしましょう。
今の1000円には昔の500円分の価値しかないと考えられるので、通貨の価値が下がったという見方ができるということです。
通貨の価値が下がっているということは、そのまま為替レートに影響を与えるので、売買の判断材料としては通貨が売られる要因となってしまいます。
物価の変動を表す消費者物価指数は、インフレの度合いを判断する事ができる為替相場で重要な指標の一つなので、取引通貨の価値がどのように変わっているのか注意しておきましょう。
景気の動向
国内総生産(GDP)や雇用統計は、その国の景気動向を現す重要な指標となります。
景気の動向は金利政策に大きな影響を与え、景気のいい国にはビジネス面からも、海外からの資金が流入しやすくなる傾向があります。
結果として通貨が買われることになり、景気がよければ通貨の価値が上がりやすくなります。
近年では、アメリカの雇用統計が特に注目されており、発表時に急激な為替変動が起こることも珍しくありません。
雇用統計発表前後は特に注意して取引を行いましょう。
貿易収支
貿易収支は為替相場に大きな影響を与えています。
海外へ商品を輸出する場合、輸出時に代金として受け取った外貨を自国の通貨へと交換する必要があります。
貿易黒字の国の通貨は、黒字になった分買われると言うことになり逆に貿易赤字の国の通貨は赤字の分売られる流れになります。
財政収支
財政収支は国、政府の収入と支出を表したものです。
景気がよくなると税収が増えて財政収支が好転し、景気が悪くなれば税収が減ってしまいます。
国は景気をよくしようと公共投資を増やすので、財政収支が悪化してしまいます。
先進国の多くは財政赤字を抱えていますが、景気をよくするために国債を発行して公共投資を行っていきます。
国債に頼る財政状態は健全とはいえないので、通貨にとって財政赤字はよくない材料となり通貨が売られる要因となることになります。
政治的要因
政治的な不安が高まると、その国の通貨は売られる傾向が強くなります。
選挙期間中などは為替相場に影響を与える場合も多く、選挙結果が予測できなかったり、予想されていたものと異なる結果が出た場合は特に大きな影響を与えることになります。
そのため、政治不安が高まっている国の通貨を取引する場合は特に注意が必要になります。
地政学的リスク
地政学は地理的な条件が、政治や経済に与える影響を研究する学問です。
近隣国と紛争がおきていたり、テロ等の危険にさらされているとリスクが高まったと判断され通貨が売られる傾向があります。
紛争などと違いテロが直接景気に大きな影響を与えることは少ないですが、実際にテロが起きた場合は為替相場に大きな影響を与えることになります。
このようなリスクは予測するのが非常に難しいので、資金やレバレッジをしっかり管理して致命的な損失を負わないように注意しておきましょう。
FXファンダメンタルズ分析のポイント
市場の関心に注意
ファンダメンタルズは時期によって注目されているものが大きく異なります。
注目を集めているファンダメンタルズは、少しの変化でも相場に大きな影響を与えかねません。
逆に全く注目されていないファンダメンタルズに変化があったとしても、相場に全く影響を与えない、なんて場合もあります。
ファンダメンタルズを値動きの予想に利用する場合は、今、何が注目されているのかに注意して分析を行うようにしましょう。
短期では予想値との違いに注目
ファンダメンタルズで発表された数値は分析に慣れていないと、前回の数値との違いに注目してしまいます。
しかし、ほとんどのファンダメンタルズでは実際に発表される前に有識者によって予想値と言うものが発表されています。
前回の発表と今回の発表される数値に大きな違いがあったとしても、予想値が発表される数値に近ければ、その数値の変化を多くの人が予め知っていたことになってしまいます。
すでに相場に影響を与えた後「織り込み済み」となってしまい、発表時に相場に大きな影響を与えることはありません。
逆に予想値と発表値が大きく異なっていた場合、予想値をもとに取引を行っていた投資家達に混乱をもたらすことになり、大きな値動きが起こる可能性が高くなります。
ファンダメンタルズで分析を行う場合は前回の発表値ではなく予想値との違いに注目して値動きの予想を行いましょう。
中長期では発表値の推移に注目
中長期のトレンドは、ファンダメンタルズで発表された数値の推移の影響を大きく受けることになります。
たとえば経済成長率が継続的に上がっていれば上昇トレンドを、逆に下がってしまえば下降トレンドの要因となってしまう可能性が高くなります。
短期的には織り込み済みとなってしまっていても、長期的な視点での影響は少なくないので、中長期的な資産運用を考えている場合は、発表値の推移にも注意しておきましょう。
重要なファンダメンタルズの発表に気を付けよう
注目を集めている経済指標など重要なファンダメンタルズの発表時は、スプレッドの拡大や急激な為替変動が起こる場合があります。
知らずに取引を行って行っていると思わぬ損失を抱えてしまったり、値動きにの初動に飛び乗ったら、高値で掴んでそのままロスカットされてしまうといったことも珍しくありません。
値動きの理由が良くわからないまま取引をしまっても損失を拡大する結果となってしまうので、注目を集めている指標の発表日時は予め調べておきましょう。
情報の入手が遅くなってしまう
個人投資家である我々がファンダメンタルズに関わる情報を知るためには、ニュース等を利用することになります。
常に最新情報を手に入れたり独自の予想を行っているプロの投資家達に比べると、情報を知るタイミングがどうしても遅くなってしまいます。
個人投資家が情報知った段階ですでに折込済みとなってしまっていることも多いので、予想値を元にした取引を考えている場合はすでに相場に織り込み済みとなっていないか、しっかり確認してから取引を行ったほうがいいでしょう。
経済情報・ニュースを解析するFXファンダメンタルズ分析のまとめ
現在の相場分析ではテクニカル分析が主流となっていますが、中長期の値動きを予想するためにファンダメンタルズを活用した相場分析は必要不可欠です。
テクニカル分析と異なり経済に関する知識が必要となってしまうので、始めは難しく感じてしまうかもしてません。
しかし、中長期の資産運用を行う上で、ファンダメンタルズ分析は必ず役に立ちます。
数多く存在するファンダメンタルズから今後の値動きを完全に予想するのは、プロのアナリストでも非常に困難ですが、現在、相場の注目を集めているものは決して多くはありません。
まずは注目を集めているファンダメンタルズを取引に活用して、徐々に経済知識を増やしていきましょう。