FXの発注から利確・損切りまで設定できるIFO注文
FXには様々な注文がありますが、注文方法によっては何度も注文を発注する必要があったり、一部の注文を手動で行う必要があったりなど少し面倒に感じることもあるかもしれません。
そんな人にぴったりなのがIFO注文です。
IFO注文なら新規の注文から決済の利確、損切りの注文までを一度の発注で行うことが可能です。
ここでは新規注文から決済までを一度に行うことができる、FXのIFO注文についてご紹介します。
目次
FXのIFO注文とは?
IFO注文は「if done one cancels the ohter order」の略でIFDOCOとも呼ばれる、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法です。
新規注文と決済注文を同時に行えるIFD注文と指値と逆指値を同時に指定することができるOCO注文を組み合わせることで新規注文から決済時の利確と損切りを一度の発注で設定することができる便利な注文方法となっています。
IFO注文後の流れ
IFD注文とOCO注文を組み合わせたIFO注文では、一度に三つの為替レートを指定することになり最初に新規でポジションを持ちたい為替レートと決済のために利確と損切りを行いたいと考えている為替レートをそれぞれ指定することになります。
注文を発注するとIFD注文のようにポジションを持ちたいと考えて設定した為替レートになった段階で新規の注文が発動することになります。
その後、指値で設定した利確用の注文と逆指値で指定した損切り用の注文が有効となりOCO注文のようにどちらかの為替レートに到達した段階で注文が発動、一方の注文が発動するともう一方の注文がキャンセルされ注文が終了することになります。
具体例で考えてみると、ドル円で1ドルが100円になった後に上昇を始めると予想して買い注文を出そうとしていたとします。
その後予想通り上昇すれば101円で利確を行い、予想が外れたときに備えて99円で損切りを行いたいと考えたとしましょう。
IFO注文ならこの一連の注文を一度の発注で同時に済ますことが可能となっています。
まず為替レートが100円になった段階で新規の注文が発動その後予想通り為替レートが上昇すれば101円になった段階で指値注文が発動して利益を確定することができます。
逆に予想に反して為替レートが下降してしまった場合、99円になった段階で逆指値注文が発動することとなり自動で損切りを行うことができるのです。
新規と決済を同時に発注できるIFD注文と指値と逆指値を同時には注できるOCO注文を組み合わせたIFO注文なら新規の注文と同時に決済注文を損切り注文を発注することができるので注文を出してさえしまえば頻繁にチャートをチェックする必要はありません。
チャートを確認しなくても利確と損切りを行ってくれるので注文を出したいけど、この後チャートを確認できなさそうと言うときにも安心して取引を行うことができます。
忙しくてなかなかチャートを確認できないと言う人には非常に便利な注文方法となっています。
組み合わせる前のIFD注文とOCO注文とは
IFO注文を説明する際に出てくるIFD注文とOCO注文とは元々どういった注文方法なのでしょうか?
それぞれの注文方法を確認してみましょう。
IFD注文とは
IFD注文は、もし為替レートが○○になったら新規の注文を行いその後もし為替レートが○○になったら決済の注文を行いたいと言うような新規注文と決済注文を同時に発注することができる注文方法です。
具体例で考えてみると、ドル円で現在のレートが1ドル100円だとして99円に下がった段階で上昇を始めその後101円まで上昇が続くだろうと予想したとしましょう。
その場合99円の新規注文と101円の決済注文の二つの注文を一度のIFD注文で発注することが可能となっています。
注文を出した後に為替レートが99円になった段階で新規の注文が発動してその後予想通りに為替レートが上昇すれば101円に到達した段階で決済注文が発動することになります。
IFD注文とは、このように新規と決済の注文を同時に発注できる注文方法です。
OCO注文とは
OCO注文は指値と逆指値の注文を同時に発注することができる注文方法で同時に発注した注文の片方が成立した段階でもう一方の注文がキャンセルされて注文が終了します。
具体例で考えると、ドル円のレートが現在100円だとして今からレートが上昇すると考えて買いのポジションを持ったとしましょう。
その後チャートを確認しながら手動で決済を行うことが難しいので101円に利確を行うための指値注文を99円に損切りを行うための逆指値注文をOCO注文で発注したとします。
利確と損切り用の注文をOCO注文で発注すると、予想通り為替レート上昇すれば1ドル101円に到達した段階で注文が発動、利益を確定する決済が行われてもう一方の99円の逆指値注文がキャンセルされて取引が終了します。
逆に予想が外れてレートが下降してしまったとしても、1ドルが99円になってしまった段階で注文が発動して、決済が行われてポジションが損切りされることになり101円の指値注文がキャンセルされて取引は終了となります。
このようにOCO注文では指値と逆指値どちらか一方の注文が成立した段階でもう一方の注文が自動でキャンセルされることになります。
いちいち自分で注文をキャンセルする必要が無いので、どちらか一方だけが成立すればいい決済の取引を行うときには非常に便利な注文方法となっています。
チャートを見なくても自動で取引できる
IFO注文では、一度発注してしまえば新規の注文から利確や損切りの決済注文までを自動で行う事が可能です。
あらかじめ値動きを予測し注文を行えばチャートをみていなくても取引を行うことができるということです。
注文を入れておけば指定した値に達したときは、24時間いつでも自動的に注文が約定されます。
IFO注文は、注文を出したくても仕事や家事でチャートを確認できないと言う主婦の方やサラリーマンの方などの日中忙しい人たちにピッタリの注文方法となっています。
IFO注文のポイント
一度に三つの為替レートを指定できる、IFO注文は様々な使い方ができる便利な注文方法です。
取引の前にポイントをおさえておきましょう。
急な価格変動に強い
FXでは予測が難しい要因によって突発的な為替変動が起こってしまう可能性が常に存在しています。
ポジションを建ててから決済注文を発注する注文方法ではそのわずかなタイムラグの間に急激な為替変動が起こってしまい、損切りの設定が間に合わず大きな含み損を抱えてしまうといった可能性もゼロではありません。
しかしIFO注文なら新規の注文と同時に決済時の利確や損切りの注文を同時に設定して注文を発注することになるので、ポジションを持つと同時に損切りの設定を行うことが可能となっています。
IFO注文では損切りようの注文を発注する前に為替変動が起こるといったことは考えられないので、想定外の急変に対応しやすい注文方法と言えるでしょう。
決済の注文が有効になるのは新規の注文が成立してから
IFO注文では新規の注文として設定した為替レートに到達し新規の取引が成立するまでは決済の注文が有効になることはありません。
チャートを分析して行った予想に近い値動きをしていたとしても新規の注文に設定した為替レートに届いていなければそもそもの取引が行われないと言うことになってしまいます。
せっかく予想に近い値動きが起こったとしてもポジションを持てていなければ意味はありません。
常にチャートをチェックする必要はありませんが、取引が予想通り進行しているのかを確認するために最低限のチャートチェックは行ったほうが良いでしょう。
注文の有効期限に注意
IFO注文に限ったことではありませんがFXでは発注した注文に有効期限が設けられている場合があります。
現在の為替レートと注文を出した為替レートに開きがあったり、値動きの予想をはずしてしまった場合はいつまでも取引が成立せずに注文の有効期限となってしまい注文自体が無効となってしまう可能性もあります。
FX会社や取引の設定によって有効期限は異なっているので自分が出した注文の有効期限がいつなのかは必ず確認しておきましょう。
組み合わせる前の注文方法に慣れておこう
IFO注文は元々組み合わせ注文である、IFD注文とOCO注文二つの組み合わせ注文を組み合わせた注文方法なので、FXの取引を始めたばかりの投資初心者の方には少し難しく感じてまうかもしれません。
そんなときはまずIFO注文の元になった組み合わせ注文、IFD注文やOCO注文でFXの組み合わせ注文に慣れておきましょう。
IFO注文をわかりづらく感じていたとしてもIFO注文の元となっているIFD注文やOCO注文を事前にマスターしておけばIFO注文も無理なく理解することができるようになるはずです。
解説を見ただけではIFO注文って結局どんな注文方法なのとなってしまった人はまずIFO注文を構成しているIFD注文とOCO注文をつかって取引を行っていましょう。
FXの発注から利確・損切りまで設定できる手法「IFO注文」まとめ
IFO注文は新規注文から利益確定、損切りの注文までの設定を一度の発注で済ませられる非常に便利な注文方法となっています。
発注さえしてしまえば、チャートを確認することができなくても決済までを自動で行うことができる日中、忙しく取引時間が取りづらい主婦やサラリーマンにぴったりな注文方法です。
しかし、取引を成立させるためには実際の為替レートが注文で設定した為替レートに到達する必要があり発注の段階でしっかりと値動きを予想する必要があります。
また、そもそも組あわせ注文を組み合わせたという性質上、注文の設定を細かく行う必要があったりするなど取引を始めたばかりのFX初心者には少し難しい注文方法となってしまうかもしれません。
注文の設定が細かくなるといっても所詮はIFD注文とOCO注文を組み合わせただけの注文方法です。
一度理解してしまえばこれほど便利な注文方法はありません。
値動きの予想をしっかりと行い、取引の有効期限に注意するなど注文時のポイントをおさえてチャートに張り付かない効率のいいトレードをマスターしましょう。